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145.月はなぜ回転していないのか

皆さまお早うございます。
寒い日が続きました。気温だけではなく、悲惨な交通事故、石油の輸入禁止、米中の関税問題、などなど気持ちが冷え冷えしてきます。札幌の気温は今日から上昇するそうですが、世界情勢はもっと冷え込むような気がします。哀しいですね、人間という動物は。

新能登メール(145):月はなぜ回転していないのか を送ります。

表題は、実は正しくありません。月は地球の周りを27.32日でひと回りします(これを公転周期といいます)。一方、月自身が回転する周期(これを自転周期といいます)も27.23日です。でその結果、月は地球に対していつも同じ面を向けることになりました。一般に地球に向けている面を「表面」、見えない面を「裏面」といいますが、月に表、裏があるわけでは無いので、変な言い方だと思うものの、分かりやすい言い方ではあると思います。

どうしていつも同じ面を向いているのか。不思議だと思いませんか。公転と自転の周期が同じなんて、偶然にしてはあまりにもできすぎとは思いませんか。これこそ「神のなせるワザ」で、世界はやはり「創造主」が創造したものなのです、…と言われれば信じても良いような気分になります。でも、神はいません。創造主は居ません。そこには納得できるしっかりとした理由があるのです。

公転と自転の周期が同じという衛星は、実は月だけではありません。木星のガリレオ衛星(イオ、エウロパ、カリスト、ガニメデ)も、土星の衛星のタイタン、テチス、ミマスなども公転周期と自転周期が同じ、つまり木星、土星に同じ面を向けて回っているのです。どうしてそうなのか、地球と月の関係で説明しましょう。

月の表側は鉄などの重い物質が多く存在し、裏側はカルシウムなどの軽い物質が多く含まれています(また表側は「海」と呼ばれる比較的平らな地形が多いのに対し、裏側は高低の起伏が激しい地形となっています。「どうしてそうなのか」は月がどのようにできたか、を説明しなければなりませんが、ここでは省略します。興味がある人はネットなどで調べて下さい)。そのせいで月全体の重さの中心は月の中心からずれていて、地球に近い側に寄っています。しかも地球の引力を受けて、球体ではなくややフットボールのような形になって公転しています。この状態では、公転周期より早く自転しようとすると地球の引力で自転にブレーキがかかり、逆に公転周期より遅く自転しようとすると加速をかけられます。つまり、自転と公転が一致して安定する、ということになります。結局、月は同じ面を地球に向けている、というわけです。

2007年9月14日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は月を周回する人工衛星を打ち上げました。この衛星は後に「かぐや」と名付けられ、2機の子衛星も「おきな」と「おうな」と命名されました。ご存知、竹取物語に出てくる育ての親の名前です。「かぐや」の主な目的は、月の起源と進化を解明するための科学データを取得することでした。「かぐや」は月表面の鉱物組成、地形、表面付近の地下構造、重力場の観測など数々の観測を行い、当初の予定をすべてクリヤし、2009年6月11日、使命を終えて月の表側に落下しました。この頃から日本の宇宙探査技術に世界の目が注がれ、小粒ながらピリリと辛い、と評価されるようになりました。これらの技術が「はやぶさ2」へとつながっていくのです。

(宇宙に何かと興味がある私の身勝手で、たびたび宇宙関連の話題を書いてしまうことをお詫びしておきます。「はやぶさ2」の無事の帰還、実に待ち遠しいと感じて居るところです。)

プロフィール

Author:能登繁幸
「ちょっと斜にかまえたエッセイ集」の第1集、第2集、第3集、ならびに毎週発信の「新能登メール」を収納。

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